2020.04.28

チャットボットとは? 今更聞けない人のために超解説!

「チャットボットってそもそも何だろう?」と思って回りに聞こうにも今更感があって「恥ずかしい…」と思っていませんか?

ある調査(※1)によりますと、国内のチャットボットの市場規模が年々増えて、2022年には132億円まで拡大することが予測されています。

これだけニーズが高まっており、ここ最近、導入を検討している企業が増えているのは事実です(当社調べ)。

ここではチャットボットに関する素朴な疑問・質問がクリアになるよう、分かりやすく解説していきます。

※1.参考:矢野経済研究所「国内の対話型AIシステム市場は今後5年で10倍以上の規模に拡大する見通し

チャットボットとは会話するプログラム

チャットボット(chatbot)は、「チャット」+「ボット」を掛け合わせた造語です。

チャットは、主にインターネットを介してユーザー同士がリアルタイムで会話をすることで、コミュニケーションアプリ『LINE』やビジネスコミュニケーションツール『Chatwork』ですでにお馴染みの方も多いでしょう。

一方、ボットとは「ロボット」の略語ですが、ここでのロボットは鉄腕アトムのような人を助ける機械ではありません。何度も繰り返す同じ処理をプログラムにして、自動化したシステムを指します。

このチャットボットですが2016年、FacebookやLINEなどのIT企業が開発者向けに公開したチャットボットのプラットフォームがきっかけとなり一気に普及しました。

また、始まりや普及した背景を知ることで、チャットボットとAI(人工知能)の関係性と双方の必要性が見えてきます。最初にチャットボットのルーツからお話しします。

チャットボットの歴史

チャットボットはここ最近の技術ではなく、すでに半世紀以上も前から存在していました。

1966年、チャットボットのルーツ『ELIZA』

1966年、当時アメリカ在住でコンピュータ開発に従事していたジョセフ・ワイゼンバウム氏が、ソフトウェア『ELIZA(イライザ)』を発表。

『ELIZA』は、心理療法の1つの技法である「クライアント中心療法」を取り込んだチャットボットです。

セラピストが解決策をクライアント(患者)に提示するのではなく、聞き役となり共感や理解に徹し、クライアント自らが成長と変容を促すカウンセリング技法が、このソフトウェアで再現されました。

実際、『ELIZA』を使用したクライアントが画面の前で泣いたり、感銘を受けたり、幼少期の辛い体験を語るなど、開発当人のワイゼンバウム氏もその結果に驚いたようです。

ここでのポイントは『ELIZA』はプログラム通り処理しているだけで会話を理解していない点です。つまり、AIを搭載していません(いわゆる「人工無能型」)。

1995年、『ELIZA』超えを目指して誕生した『A.L.I.C.E.』

『ELIZA』以降もいくつもの派生ソフトウェアが開発されましたが、中でも特徴的なのがリチャード・ウォレス氏と複数の協力者によって1995年から開発が始まった『A.L.I.C.E.(アリス)』です。

毎年開催されるAIの人間性を評価するコンテスト『ローブナー賞』において、3度の受賞実績(2000年、2001年、2004年)がある『A.L.I.C.E.』は、開発のためにAIML(Artificial Intelligence Markup Language)と呼ばれる記述言語を使っています。そして『ELIZA』をより高度にすることを目指して開発されました。

後にこのAIMLを採用して、英語圏では多くのチャットボットが生み出されました。

2011年、AIを搭載したチャットボット『Watson』登場

この頃から各IT企業からAIを採用したチャットボットが続々と登場します。

2011年1月、IBMは『Watson(ワトソン)』を公開。AI搭載の質問応答システムで、人が日常使う言葉(自然言語)を理解・学習し、意思決定のサポートもします。

同年2月にはアメリカの人気クイズ番組『ジェパディ!』に挑んで、歴代チャンピオン2人に勝利して話題になりました。

2018年には、国内AIソフトウェアプラットフォーム市場調査において売上額シェア1位を獲得するなど、現在はビジネス化を中心に様々な企業のサポートを行っています。

2011年、AIアシスタント『Siri』発表

AIアシスタントは、バーチャル(仮想)アシスタントとも呼ばれ、音声を認識して様々な質問や依頼に対し、適切に回答・行動するAI技術のことです。

2011年10月にAppleが『iPhone 4S』を発表した際に導入されたのが、AIアシスタント『Siri(シリ)』でした。

他にも2015年4月、マイクロソフトが発表した『Cortana(コルタナ)』は、Windows 10 のOSに導入。2016年5月にはGoogleが『Googleアシスタント』を発表し、Androidスマートフォンに採用されました。

2015年、AIキャラクター『りんな』発表

2015年7月、日本マイクロソフトが開発したAIチャットボット『りんな』がLINE上に登場。

リアルな女子高校生のようなキャラクター性と、レスポンスのスピード感が10代、20代を中心に話題となり、登録ユーザー数は約760万人を達成しました(2019年3月当時)。

さらに『りんな』は歌を歌うことができます。開発に当たっては別途音声チームが担当し、NHK紅白歌合戦出場を目指す企画も話題となり、2019年にはエイベックス・エンタテインメントと契約してメジャーデビューを果たしました。

また、2017年7月には日本テレビ系ドラマ『過保護のカホコ』の主人公をキャラクターに設定した『AIカホコ』がLINE上に登場。

ドラマが進行するにつれてAIカホコ の会話も成長するシステムが話題となり、LINEの登録ユーザー数はわずか3ヶ月で40万を超え、総会話数は1億以上を記録しました(2017年9月30日終了時)。

2016年、Facebook、LINEが次々にプラットフォームを公開

2016年4月、Facebookが開発プラットフォームのリリースと同時に自動ボットのAPI(※2)を公開。同月にはLINEもトライアル版のAPIを公開し、同年9月から正式版をリリースしました。

これを機にAIチャットボットに取り組みたい企業が続々と活用し、一気に普及しはじめます。

例えば保険会社の保険料の見積もり提案、運送会社の再配達やピザ配達の予約など、様々な企業がアイデアを出しながらAIチャットボットの活用性を探り、見い出す流れがありました。

※2.「API」とは、”Application Programming Interface”の略で、汎用性の高い機能をプラットフォーム開発側で開発・提供する仕組み

2017年、スマートスピーカー『Google Home』、『Amazon Echo』登場

2011年のAIアシスタント公開からおよそ5年後には、その機能を搭載したスピーカーが現れました。

スマートスピーカーは音声対話型のAIアシスタントです。ニュースや天気予報を聞いたり、音楽を再生したり、テレビやロボット掃除機などの対応家電を操作することができます。

Googleが開発したスマートスピーカー『Google Home』は2016年にアメリカで発売され、日本では翌年2017年の発売。

またAmazon.comから発表された『Amazon Echo』も、2014年にはすでに一部の会員向けに発売されていましたが、日本国内では2017年の発売となりました。

その他にもLINEの『Clova WAVE』、Appleの『Home Pod』などがあります。

海外の調査会社が発表した結果によると、2018年におけるスマートスピーカーの各メーカーのシェアは、Amazon.comが「31.1%」、続いてGoogleが「30.0%」(※3)。この2社で過半数のシェアを占めていることがわかります。

※3.出典:Canalys: Smart speaker market booms in 2018, driven by Google, Alibaba and Xiaomi

チャットボットの種類

チャットボットは目的別に2種類、またシステムタイプ別に2種類あります。それぞれ分かりやすく説明します。

タスク達成型と雑談型

チャットボットは、ユーザーの求めに応じて答える「タスク達成型」と「雑談型」の主に2種類に分けることができます。

タスク達成型は、ある1つの掲げた目標を達成するタイプです。目標達成のため、システム側がユーザーからの質問や疑問に対して適切に答える仕組みです。

コールセンターのオペレーターの代わりにチャットボットがお客様の対応をする、というシーンが最もイメージしやすいかもしれません。応用すると保険会社の審査業務、タイヤメーカーの画像診断、旅行会社の提案・予約など、実に幅広い分野で扱えます。

次に雑談型ですが、先に紹介した LINE上での『りんな』や『AIカホコ』のように、目的はそこまでなく、様々な対話を続けるのがこのタイプです。

それぞれ目的の有無の違いとなりますが、どのようにチャットボットを活用するかを決める基準として大切な考えとなります。

ルール・パターン型とAIチャット型

チャットボットのサービスを選ぶとき、ポイントとなるのが「ルール・パターン型」と「AIチャット型」の2つです。

ルール・パターン型は、手動で会話のシナリオを設計するシステム。AIチャット型は、AIを採り入れたチャットボット・システムです。ここ最近は「チャットボット」というと後者の「AIチャット型」が主流となってきています。

AIチャット型は、ユーザーの話し言葉に対して適切な回答をできることが強みですが、しっかり機能するのに初期設定に時間がかかることや、サービス料金が高額になりやすい、という点にも留意して押さえておきましょう。

チャットボットを導入するメリット

チャットボットで得られるメリットは、主に次の内容になります。

  • カスタマーサポートの負荷軽減
  • 24時間365日対応で顧客満足度の改善
  • コンバージョン向上の可能性UP
  • キャラクターを活かした顧客エンゲージメント向上

詳しく見ていきましょう。

※ここで紹介するチャットボットとは、「AIチャットボット」を前提とした内容となります。

カスタマーサポートの負荷軽減

カスタマーサポートにおける企業の共通した課題として、簡単な質問に対する回答に、オペレーターが多くの時間を費やしていることなど挙げられます。この課題を解決に導くのがチャットボットです。

例えば「サービスの料金は?」「営業時間は?」「返品・交換の流れは?」など、よくある質問とその回答をあらかじめチャットボットに設定すると、その後のお客様への対応をプログラムが自動で行います。

これによって、オペレーターはより時間を確保できるので、重要度の高いお客様への対応に時間を割くことができるようになります。

また仮に質問の難易度が高く、チャットボットが対応できなかった場合には、オペレーターにつなげる仕組みもあります(チャットボットサービスによる)。

24時間365日対応で顧客満足度の改善

チャットボットは24時間365日稼動するので、お問い合わせの営業時間外も対応し、機会損失を防ぎます。

ユーザーにとっては場所や時間を選ばず、いつでも気軽に問い合わせができて、すぐに回答が得られるため、満足度の向上にもつながります。

コンバージョン向上の可能性UP

チャットボットは、ECサイトやサービス販売サイト、サービス予約サイトでのWebマーケティング支援のツールとしても有効です。

例えば、ユーザーの購入した商品履歴、アクセスログなどのデータと、チャットボットで行われる対話の内容から、ユーザーの好みに合った商品を提案することで、結果的にコンバージョン向上が期待できます。

また、質問を絞ってユーザーを意図的に誘導するのではなく、ユーザー属性、趣味や趣向が似ているユーザーの情報、過去ログなどを分析して商品を提案するため、自然とコンバージョンの角度は高まります。

※注意!ただし、ユーザー情報を扱うため、チャットボットのサービスと利用者側のシステムを連携する必要があります。

キャラクターを活かした顧客エンゲージメント向上

キャラクターとおしゃべりのできる空間をチャットボットで作り上げることで、結果的に企業とユーザー間の信頼性を築く顧客エンゲージメントの向上にも役立ちます。

キャラクターは、企業のイメージキャラクター、ゲームキャラクター、テレビドラマの登場人物など、広く扱えます。また、そのキャラクターの性格に合った口調や話し方の設定が可能で、まるでキャラクターと2人だけで対話をしているような特別な体験をユーザーは味わえます。

当社の事例では、とあるテレビドラマの登場人物をキャラクターとして採り入れ、LINE上で対話できるチャットボットを提供しました。

その結果、友達登録数は130万人を超え、対話数は2億9000万回を記録し、大きな反響となりました。

以下、今回の記事執筆に参考にした情報です。

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