2020.07.16

AIチャットボットをマーケティングに生かして成功するには?

2020年6月5日、内閣府は防災とITを組み合わせた政策を推進する中間報告をまとめました。

そのなかでは「防災チャットボット」と呼ばれるAIを使った自動応答アプリの開発についても明らかになり、国や自治体の各サイトからワンストップで必要な情報にたどれるよう効率化を図ったものでした。

このように最近ではユーザーの利便性向上のため、政府も導入を検討するほどチャットボットが普及しています。こうなると「チャットボットをマーケティングに活用できないか?」と感じる経営層やマーケッターの方もいらっしゃるでしょう。

そこで、チャットボットをマーケティングの観点で活用すること、およびその成功事例を解説していきます。

※参考:日本経済新聞「災害時支援でデータベース構築を 内閣府作業部会

チャットボットの可能性

先に紹介したように「チャットボット」とは自動応答プログラムのことです。

ユーザーが欲しい情報や知りたいことについてスムーズにアクセスできるため、利便性の改善が見込めます。

一方で導入側の企業目線でメリットを考えると主に次のことが挙げられます。

  • 商品やサービスの提案
  • 購入や予約ページへの送客
  • 顧客エンゲージメントの向上
  • 顧客満足度の改善

おそらくチャットボットはよくある質問に答える、または問い合わせ対応を自動化する、といった用途が世間一般のイメージでしょう。しかし、マーケティングの要素を取り入れた活用も十分可能なのです。

そこで、チャットボットを使ったマーケティングを「コンバージョン獲得」と「顧客エンゲージメントの醸成」の2つに分けてご紹介します。

コンバージョン獲得|チャットボットを使ったマーケティング

売上げに直結するのがコンバージョン獲得ですが、単に「コンバージョン」と言っても次のように複数の意味が含まれます。

  • リード獲得
  • 申し込み(予約、受付)
  • 購買

リード獲得

リード獲得はサイトの問い合わせフォームから企業名、担当者名、メールアドレスなどの見込み顧客の情報収集を指します。

チャットボットの導入イメージとしては、ユーザーがチャットボットと対話をしながら質問や疑問を解消し、資料請求やサービス登録などを行うといったフローになります。

これまでのWebサイトの入力フォームに替わって、ユーザーにとって操作性のよい、親しみあるインターフェースになります。

リード獲得のためのチャットボットは、営業担当者がフォローアップする連絡先の収集を目的とした BtoB ビジネスに最適なツールです。そのため、多くの企業にとって、チャットボットマーケティングの世界への最初の足がかりになることがよくあります。

申し込み(予約、受付)

このコンバージョンは、インターネット上から予約や受付などの申し込みを獲得するものですが、これだと従来の広告、SNS、SEOなどのWEBマーケティングで事足ります。

しかし、チャットボットは従来の方法とは異なる新しいチャネルです。

チャットボットはユーザーとの自然な対話を得意とし、そこから関係性を紡いでいきます。そしてマーケティング上では、見込み顧客が商品やサービスもしくは企業やブランドに親しみを感じ、検討段階に入って購入意欲が高まると新規顧客へと移行するとされています。

全日本空輸株式会社(ANA)は、ハワイ旅行への予約数を増やすため、自社運営のハワイ旅行キャンペーン用のハワイ情報サイト「#hawaii24」に2018年からAIチャットボットを導入しました。

ハワイでのショッピング・グルメなどのカテゴリや、友人と一緒なのか子どもを含めた家族で楽しみたいのかといった旅行メンバーの確認など、チャットボットがユーザーの興味・状況・気分を把握。そこから最適なハワイ旅行の行程提案をしていきます。

結果として今までリーチできていなかったと思われるユーザーとの接点機会が増加し、これらの対話によってファンも次第に増え、ハワイ旅行予約というコンバージョンを生みだしました。

※画像元:goo AI x DESIGN「AIチャットボットの7つの成功事例!導入目的と成果を紹介

購買

購買はショッピングサイトの売上げ向上に直接つながるものです。

AIチャットボットでは「機械学習」と「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術が使われており、ユーザーとの自然な対話が可能です。話し言葉を理解して適切な回答を返すため、ユーザーは納得できる快適なショッピングを堪能できます。

株式会社ユニクロでは、2017年からスマートフォン向けアプリの中にAIチャットボット「UNIQLO IQ」の試用を開始し、2018年から本格展開しています。

コーディネート、カテゴリ、人気ランキングなどからはじまり、ユーザーとの対話から最適なアイテムをおすすめします。そのままオンラインストアで購入できたり、近隣の店舗の在庫状況を確認できたり、ユーザー体験を追求する姿勢が感じられます。

アプリを開くと右下に「教えて IQ」ボタンが表示され、クリックするとコンシェルジュと呼ばれるチャットボットの「案内係」がアイテムを紹介します。

※画像元:株式会社ユニクロ「AIコンシェルジュ「UNIQLO IQ」の試験運用を開始

顧客エンゲージメントの醸成|チャットボットを使ったマーケティング

最初に「顧客エンゲージメント」について定義します。ここでは企業・ブランド・商品・サービスにユーザーがどのくらい愛着を持っているかの度合いを意味します。

つまり顧客エンゲージメントの醸成は、愛着度を高めていく機会を作り、ユーザーとの関係性を築いていくという事です。これはAIチャットボットの自然な対話が可能にしています。

先ほど挙げたハワイ旅行サイトの事例や「UNIQLO IQ」のように、チャットボットはユーザーとのコミュニケーションを積極的に行うことができます。

各企業とも過去のマーケティング実績や事前調査からユーザーの興味深い選択肢を提示し、ほかにも知りたいことがあればチャットボットが提案していきます。ユーザーからの直接の質問があれば、テーマの状況を理解して適切な回答を返します。

この一連のやり取りからユーザーとの信頼関係を構築していくのです。そして顧客エンゲージメントが醸成されていきます。

チャットボットにキャラクターを連携し、既存のファンのエンゲージメントをより強固にする方法もあります。

当社での事例となりますがテレビドラマの登場人物を、LINEアカウント上にキャラクター化したAIとして公開したところ、ユーザーはキャラクターとの特別な世界観を味わい、対話自体を楽しみながら利用してもらうことが出来ました。そしてその感動をTwitter上で共有する現象が頻発し、興味深いことにチャットボット公開時期と比例するようにテレビドラマの視聴率も増加していきました。

こうして蓄積されたユーザーとの対話情報から、好みの傾向や属性ごとのニーズを分析し、さらに提案の精度を上げることもできます。そして売上げにつなげるため、マーケティングツールとしての活用方法は広がるばかりです。

※画像元:goo AI x DESIGN「AIチャットボットの7つの成功事例!導入目的と成果を紹介

チャットボットの今後と可能性

チャットボットのユーザー体験という新たなチャネル創出が、マーケティングのサポートにつながることが伝わったでしょうか。

当社のアンケート調査で、AIチャットボットに期待したいことは?という質問に対してチャットボット利用経験者は次の通り回答しました。

  • 難しい質問にも「わかりません」で済ませず真摯に対応してくれる(52.0%)
  • 利用者の気持ちや感情を理解して寄り添ってくれる(37.5%)
  • 今まで気づかなかった自分の欲求を発見させてくれる(34.6%)

※参照:goo AI x DESIGN「チャットボット実態調査2019」より


これらの真摯な対応や感情を読み取って気遣うような内容は、チャットボットの「人間らしい対応」への期待感がうかがえます。

ユーザーとの自然な対話ができるAIチャットボットは、個々のユーザーにとって最適なプラン・情報を提案し、悩みや問題を解消する(またはヒントになる)アドバイスをするなど、これまでにないユーザー体験を提供します。

そして顧客エンゲージメントを醸成しながら、近い将来「人間らしい対応」ができるさまざまなサービスが展開され、ますますの広がりを見せることでしょう。

※画像元:goo AI x DESIGN「チャットボット実態調査2019」より

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