導入事例インタビュー
― ソニーグループ株式会社様 ―

ソニーグループのありのままの姿を正しく、楽しく伝えたい
チャットボットだからできる、学生と企業の新しいコミュニケーションの形とは?

ソニーグループ株式会社様

エレクトロニクス製品からモバイル事業、ゲーム、音楽や映画など様々な事業を展開する、日本を代表するグローバル企業であるソニーグループ。新卒採用において、コロナ禍におけるオンライン化や大企業であるがゆえに、ありのままの企業の姿を伝える難しさを感じていた。今回、「goo AI x DESIGN」を活用し、採用に関する質問だけでなく、悩みや雑談にも回答できる「採用チャットボット」を導入。正しい情報を手軽に楽しく提供するツールは採用活動においてどのような役割を果たしたのか?今回、ソニーグループの採用担当者である浅井孝和氏、猪熊大介氏、山木梨沙氏に話を伺った。

カジュアルかつ手軽に、ソニーらしさを伝えたい

(左から)ソニーピープルソリューションズ株式会社 採用部 2課 統括課長 浅井 孝和氏、採用部 2課 山木 梨沙氏、採用部 2課 猪熊 大介氏

採用活動にチャットボットを導入検討するきっかけは何だったのでしょうか?

猪熊氏:就職活動をする学生さんに対して、ソニーの正しい姿や情報をもっとライトに、キャッチーに伝えられる手段がないかと考えた際、今まで行っていたプロモーションに加え、チャットボットでそのようなことができないかと興味を持ったことがきっかけです。

採用活動における御社の課題をお聞かせください。

猪熊氏:ソニーという会社は学生さんにとって「どこかで一度は聞いたことがある」方が多い一方で、いわゆる日本の大企業であり“お堅い”企業というイメージを持っている方が多いのではないかという課題がありました。

浅井氏:就職活動の形がコロナ禍でかなり変化しており、学生さんが生の会社情報を得にくくなっていると思っています。オフィスに来られなかったり、先輩社員から直接情報を得ることができなかったり、画面越しになってしまったり。直接生の情報を得る機会が減少しているという点も課題でした。

最終的にgoo AI x DESIGNを選ばれた、その決め手は何だったのでしょうか。

猪熊氏:もともと私自身、NTTレゾナントさんのドラマキャラクターと会話ができるチャットボットを使っており、そのようなサービスを採用に使えたら面白いのではないかと思っていました。また、あらかじめ設定した応答だけではなく、採用とは直接関係のない日常のコミュニケーションにも「わかりません」で済まさず、何かしらちゃんと反応してくれる点が良かったです。あとは、言葉の辞書が豊富で表記のゆれに対応しているので、同じ言葉の違う言い回しでも、同じ意味だと理解できる点も良かったです。細かいですが、大事な点であると考えており、NTTレゾナントさんを選ぶ決め手となりました。

採用に関する会話
採用以外のコミュニケーションも可能

浅井氏:コロナ禍において、学生さんが直接「生の情報」を得る機会が限られる中で、ソニーとしてもっとカジュアルかつ手軽に情報を伝える手段を色々考えていました。その中の一つとしてLINEという学生さんの生活に密着したツールで、いつでもどこでもすぐに情報が得られるというのは、我々のやりたいことや学生さんの課題感ともマッチするのではないかなと思いました。

「ソニーを身近に感じられた」チャットボットが果たしたエンゲージメント向上

運用面での気づきや得られた効果、役に立った点などを教えてください。

猪熊氏:初期画面で入力例として選択肢を表示していたのですが、ここに知らせたい情報を提示することで、学生さんだけでは得にくい情報をこちらから仕掛けることができました。チャットボットはユーザーが入力してAIが応答する一方通行のやりとりのみに思えますが、LINEのメッセージ配信機能なども活用し、学生さんに是非知ってほしい情報などもこちらから提供することができたことは新たな発見でした。

選択肢による入力例の表示
メッセージ配信

山木氏:学生さんからは本当にたくさんの質問や会話をチャットボット上でしていただきました。ユーザーを対象に実施したアンケートでは、「ソニーという会社が身近に感じられました」といった声をいただいたり、アカウント終了をお知らせした際にはLINE内で「さみしい」といったコメントを入力いただいたり…。ソニーという企業のイメージ向上や、学生さんにとってソニーをより身近に感じていただけた効果があったのではないかと考えています。

浅井氏:コロナ禍の採用活動だからこそ、ワンストップで様々な情報にアクセスできる環境を作りたいと思っていました。学生さんが「何か聞きたいな」「カジュアルにおしゃべりしたいな」と思った際にスマホからワンストップで情報にアクセスできる一つのツールとして役に立ったと感じています。

キャラクターを活用したからこそ親しみやすく、気軽に情報を得られるツールに

今回なぜaiboをAIキャラクターに起用されたのでしょうか?

aibo チョコエディション(2019年限定カラーモデル)
提供:ソニーグループ株式会社

山木氏:はじめは、採用部の誰かをキャラクターとして起用することも考えましたが、学生さんが何気ない会話でも気軽に話しかけやすいキャラクターを考えた際、愛嬌のあるaiboに決まりました。実際に採用部でも「きなこ」という名前のaiboを飼っているので、名前も「きなこ」にして、採用部の一員として採用に関する情報を伝えたり、「おなかすいた」「何歳?」「就活疲れた」といった何気ない雑談にも答えたりするキャラクターにしました。

チャットボットにキャラクターを使うメリットはどのような点にあるとお考えでしょうか?

浅井氏:チャットボットが機械的で堅い受け答えしかできないと学生さんも気軽に使えないと思います。「きなこ」と会話することで採用担当者に直接聞きづらい質問ができたり、息抜きというか、ほっとする瞬間を提供できたという点はメリットだったと思います。

山木氏:会話ログをみると、就職活動以外の「疲れた」「就活がうまくいかない」などの愚痴も本当にたくさん入力していただきました。そういった愚痴が言えるのもきなこだったからこそだと思います。

今後の展望

今後採用チャットボットでチャレンジしたいことについて教えてください。

浅井氏:今の採用活動の大きな課題は学生さんに正しいソニーの姿をそのまま伝えることだと思っています。私自身、ソニーは本当にいい会社だと思っているのですが、昨今のオンライン化の影響もあり、学生さんにソニーのありのままの姿を伝えるのが非常に難しいと感じています。その中で、一つの解決策としてLINEを活用したチャットボットというものをもっとうまく活用していきたいです。具体的には、テキストによる返答だけではなく動画を増やしたり、必要な情報にすぐにたどり着くためのURLをすぐに渡したり…。ソニーの正しい姿を知ってもらえるような情報をより強化して、我々が伝えたいポイントをしっかり伝えていけるようになると良いなと思っています。

猪熊氏:採用活動では時期によって学生さんの求める情報が変わってきます。説明会やイベントがほぼ毎日開催されるような時期には、各イベントの場所や集合時間といったイベント特有の質問には答えきれませんでした。課題が残った一方で、気軽に質問ができるチャットボットだからこそ寄せられた質問もあったと思います。通常こういったお問い合わせは多く寄せられませんが、それが今後答えられるようになるともっといいのかなと思います。
また、ソニーグループとして、エレクトロニクスや半導体だけではなく、ゲームやエンタメ系など事業領域を広げていく中で、一つの領域にとどまらずグループを横断して情報を伝えていけたらいいなと思っています。

山木氏:ソニーに入社してから「この情報、就職活動中に知っておきたかった」と感じた経験が多くあり、そういった情報が簡単に検索できる機能がないのかなと考えていたので、まさにそれをかなえることができたと思っています。一方で、現状学生さんからの質問にすべて完璧に回答できているわけではありません。今後続けていくにあたってより精度を向上させるために改善していき、将来的には「きなこに聞けばすべて答えてくれる」辞書のようなチャットボットを目指していきたいです。

ありがとうございました。

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